相手に何かを伝えようとするとき、「なかなか思うように言葉にできない!」ということ、ありますよね。これが友人の間や家族の間だったらまだいいのですが、ビジネス上のやり取りでは困ったことになりかねません。もしかしたら逆に、「相手のしゃべっていることがうまく理解できない!」という悩みをもっている方もいるかもしれません。
相手に話して情報を伝えること、相手の話を聞いて情報を受け取ること、これらはどちらも「考えを整理する能力」が前提となっています。あなたがうまく話せなかったり、相手の言っていることを理解できなかったりするのは、あなたが「考えを整理する能力」をうまく発揮できていないからなのです。他にも色々な原因は想定できるかもしれませんが、根本的な原因はこれだけです。非常にシンプルです。シンプルであるために誰でもはまりやすく、シンプルであるからこそ、じつは改善するのは簡単だったりします。
では、「考えを整理する能力」を発揮するにはどうしたらいいのでしょうか?
「私には考えをうまく整理する才能なんてないのかもしれない……」そう思ってしまう方もいることでしょう。でも、安心してください。「考えを整理する能力」は誰でも発揮できます!なぜなら、「考えを整理する能力」を発揮するためには、「考えを整理する方法」を身に着ければいいからです。
「考えを整理する方法」とは、ずばり、「5W1H思考」です。
5W1H思考 とは
既にご存知の方も多いかとおもいますが、まずは5W1Hとはそもそも何の略なのか、確認しておきましょう。5W1Hとは、When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(なにを)・Why(なぜ)・How(どうやって)の頭文字をまとめたものです。5つの「W」と1つの「H」で、「5W1H」となりますね。
では、さっそく具体的に見ていきましょう。今回は「会議」を例に考えてみます。
When(いつ)
会議の予定日時はいつなのか?
Where(どこで)
どの建物の、どの階の、どの部屋で会議をするのか?
Who(誰が)
誰が会議の参加メンバーなのか?
What(なにを)
会議において何を話し合い、何を決定するのか?
Why(なぜ)
会議をする目的は何か?
How(どうやって)
会議をする方法は何か?
実例を考え、それぞれ当てはめてみてください。5W1H思考を身に着けるための第一歩です。できれば、紙に書き出してみることをおすすめします。どうでしょうか。どんな会議なのかという情報がきちんと立体的に浮かび上がってきませんか? これが、考えが整理された状態です。
5W1H思考の活用
重要なのは、5W1H思考をすることで思考を言語という形にしたうえで整理できることです。私たちの情報伝達は基本的に全て言語によって行われています。思考が言語化されているということは、思考が情報伝達に適した状態になっているということです。さらに、5W1H思考の利点は言語化する際におさえなければいけない、欠落してはいけないポイントが明確だということです。
思考が言語化されていれば、相手に考えを伝えるときに、いちいちイメージを言語に変換する作業をしなくて済みます。そして、その言語化された内容がしっかりと5W1Hをおさえたものであれば、相手にとってきっと分かりやすい情報伝達となるでしょう。
聞き手側でも必要な 5W1H思考
さらに、5W1H思考は相手の言っていることの理解にも応用できます。あなたが相手の言っていることを理解できないときは、相手が話している内容から5W1Hのうちのどれかが欠落している可能性が高いのです。このような時は、相手のしゃべっている内容から5W1Hを探してみて、それらのうち、足りない部分を補うように相手に質問をしてみるとよいでしょう。
世の中の多くの人は、重要だけれどシンプルなこと、やろうと思えばやれることはやろうとしません。だからこそ、5W1H思考ができない人は多く、だからこそ、5W1H思考を身に着けることには価値があります。この記事を読んだ方には5W1H思考というシンプルかつ強力な武器を身に着けるチャンスをしっかりとつかみ取っていただけるとうれしいです。
まとめ
さて、あなたは5W1H思考とはどのようなものであるかについて知っている状態になりました。知識としてはこれで十分です。しかし、重要なのはこの先です。あなたは5W1H思考をビジネスという実践において使えなければいけません。
「ただ知っている」から抜け出すためには実践が必要です。ビジネス上での情報伝達の場面を思い浮かべ、先ほどと同じように5W1H思考を用いて考えを整理しながら、どのようにしたらいいかシミュレーションをしてみましょう。明日からさっそく5W1H思考を活用するために、今日のうちにこの練習で基礎を身に着けておきましょう。
そして、ぜひ明日から職場や取引先で実践していってください。実践を怠らなければ、そのスキルはやがて意識しなくても自然と使えるようになるはずです!5W1H思考が習慣化できれば、あなたは意識せずともビジネス上のコミュニケーションで困ることは無くなるでしょう。
シンプルな方法で挑めば、シンプルに結果がついてきます!